鹿児島市出身の女優・加藤ローサさん。高校卒業まで鹿児島で過ごし、その後は芸能活動のため上京。現在は二児の母として子育てをしながら活躍を続けています。子どもの頃の思い出から、大人になって改めて感じる鹿児島の魅力まで、お話を伺いました。
一番に思い浮かぶのは平川動物園ですね。学校の遠足でもよく行きましたし、子どもの日に祖父と二人で出かけた思い出もあります。
友達同士だけで行ったこともあって、私が住んでいた地域からはバスを乗り継いで行かなければならなかったので、小学生にとってはちょっとした大冒険でした。なぜか動物園の入口から坂道を一生懸命歩いた記憶が残っていて、今でも懐かしく思い出します。
それから山形屋の地下にあった、お菓子がぐるぐる回る売り場も好きでした。母とはなかなか買えなかったのですが、親戚のおばと行くと買ってもらえることがあって(笑)。今でも残っていると聞くと、久しぶりに行ってみたくなりますね。
今の鹿児島中央駅周辺は本当に大きく変わりましたよね。私が高校生だった頃はまだ今ほどではなくて、友達とプリクラを撮りに行ったり、洋服を見たりするのが楽しみでした。
当時の思い出の場所を訪れると街は変わっていても、その頃の空気や気持ちは不思議とよみがえってきます。
昨年、子どもたちを連れて知覧特攻平和会館を訪れました。小さい頃にも行ったことはありましたが、当時はまだ十分に理解できる年齢ではありませんでした。
今回は中学生になった子どもたちと一緒に訪れたのですが、展示を一つひとつ真剣に見ていて、その姿に成長も感じました。特攻隊員の方々が家族へ宛てた手紙などを読むと胸に迫るものがありますし、親になった今だからこそ感じることも多かったですね。
改めて訪れて本当に良かったと思える場所でした。
子どもたちも温泉が大好きなので、帰省すると温泉巡りを楽しんでいます。玉手箱温泉に行ったり、そうめん流しに立ち寄ったり、お茶のスイーツを味わったり。
知覧から指宿方面を巡りながらドライブをした日は、海沿いでイルカを見ることもできました。鹿児島で育った私自身も初めて見たので、家族みんなで大興奮でしたね。
観光地を巡るだけではなく、車で走りながら景色を眺める時間そのものが楽しいんです。
やっぱり地鶏の刺身ですね。帰省すると必ず食べている気がします。
それから「春駒」というお菓子が大好きで、実家に帰ると母が用意してくれています。子どもの頃から変わらず好きなお菓子です。
天文館のしんこ団子も好きですね。甘いものはそれほど得意ではないのですが、和菓子は好きで、あの香ばしい味わいは鹿児島に帰ると食べたくなります。
まずは自然ですね。
指宿方面を走っていても、市内を走っていても、人の手が入りすぎていない自然が残っています。桜島の荒々しい景色や、開聞岳を望む風景、高速道路から見える深い緑など、車を走らせているだけで気持ちが落ち着くんです。
それから、人との距離感も魅力の一つだと思います。
以前、子どもがコンビニでたくさんお菓子を買ったとき、袋はいらないと断ったのですが、店員さんが「持つのが大変だから」と小さな袋を用意してくださったことがありました。また、高速道路で困ったことがあった際にも、料金所の方が親身になって対応してくださって。
もちろん特別な出来事かもしれませんが、そんな場面に出会うと鹿児島らしい温かさを感じます。
10代で上京した頃には、その人との距離感の違いに驚くこともありました。今振り返ると、そうした自然な気遣いや親しみやすさの中で育ったことは、とても恵まれたことだったと思います。
あと、鹿児島らしいなと思うエピソードが一つあって(笑)。
うちのパパ、元旦那さん(サッカー元日本代表の松井大輔氏)が鹿児島を訪れると、年配の方からよく「松井くん、飲んどるか?」と声をかけられていたんです。でも本人は「なんでみんな僕がお酒を飲んでいるか気になるんだろう?」と不思議がっていて。
私は「あれはお酒を飲んでいるかを聞いているんじゃなくて、元気にしているかって意味だよ」と受け取っているんですけど、そんな何気ない言葉にも、人との距離の近さや相手を気にかける文化が表れている気がします。
自然も豊かで、人も温かい。帰るたびに肩の力が抜けて、「やっぱり鹿児島はいいな」と思える場所ですね。

かとうろーさ
鹿児島市出身。ファッションモデルとしてデビュー。結婚情報誌『ゼクシィ』のCMで注目を集める。日本ジュエリーベストドレッサー賞受賞。ドラマ『女帝』、『オー!マイ・ガール!』、映画『いちばんきれいな水』、『東京タワー Tokyo Tower』ほか多数出演。