10昭和丸出し丸裸の印象が残る、飲食店のジャングル「新梅田食道街」。バッキー井上ハリー中西 大阪駅周辺や北側にここ最近新しい商業施設などがたくさん出来てきて注目されているが、大阪キタのドスライクと言えば「新梅田食道街」だろう。なぜ食堂街ではなく食道街なのか40年以上前からずっと気になっていたが、今も知らないしそんなことはどうでもいい。スマホやAIで調べればわかるんだと思うがそんな結果に意味はない。俺が京都から通い、長く世話になっているこの食道街で過ごす時間と店に価値がある。 「新梅田食道街」は阪急梅田駅の1階から阪急百貨店までの6本か7本の細い通路が縦横に巡らされその両サイドに飲食店をびっしり詰め込んだところだ。2階にも並んでいる。とても懐かしい匂いと空気があり通うとクセになる食道街だ。約90軒の多様な業態の店がひしめき合っている。たまらない。大阪市北区角田町9-26(新梅田食道街連合会) もちろん店は新陳代謝していくがこの食道街の核心的な店はずっと残っている。串カツや寿司、居酒屋や焼鳥屋、おでん屋にお好み焼き屋、老舗のバーも新鋭のバーもある。 俺が若い頃は1階の真ん中にAセットからCセットまである安くてボリュームのある洋食屋が好きだったが今はあまり食べられないので宵の口からの酒にシフトしている。 よく行く店をいくつか紹介しよう。樽酒と酒呑みのハートを掴む酒の肴がある「樽・金盃」。特にエッグというミニ鉄皿の玉子焼がたまらない。焼鳥屋「とり平総本店」の合鴨。鮮魚料理「丸」の旬の刺身と煮物。おでん鍋を囲むコの字カウンターがそそる「たこ梅北店」の鯨のサエズリのおでんは錫のチロリに入った目の前の酒を昇天させる。「平和楼」の天津飯、立ち食い京都の漬物屋店主で酒場ライター。酔って転んで足を折ってしまっても、今夜もハシゴの旅。小学生のころの夢はテレビディレクター、そして中学生のときは小説家。串カツの「松葉総本店」。和食の「新喜楽」は昼から出来る一人前の鴨鍋がうれしい。2階には創業100年以上のサンボアの「梅田サンボア」が磨き抜かれたカウンターで構えている。余談だが40年近く前は土日になったらこの食道街の中にある雀荘「モリサキ」によくひとりフリーで打ちに行っていた。麻雀をしながら食べる出前もんが実に豊富でそれが大好きだった。 大都市の主要な駅には飲食店のモールやフロアが必ずあり、そこに出店することが出来る店は運営のレベルが高く、行列必至のようないわば商売的にエリートというかビルや駅側の評価が高い店ばかりだ。それはそれで素晴らしい。けれどもどうしても俺は自動的にこの昭和丸出し丸裸の印象が残る「新梅田食道街」を目指してしまう。それでいいと思う。そしてずっとここに在って欲しい。日本を食べまわる写真家。茶色いものを愛してやまないが、実は果物も大好きでカットフルーツは欠かせない。そろそろ好物のスイカがスーパーに並ぶのが楽しみ。バッキー&ハリーの〈新梅田食道街〉地団駄はツイストで
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