08 京都で生まれ育ってきた俺にとっては大阪は隣の街なのだが別の世界の街の感じが子供の頃からしていた。 いつも京都の中心部にいたので大阪に行くのはJRの京都駅からではなく阪急か京阪で行っていた。 若い頃、仕事で大阪に行くようになるまでは昼間に行くことはほとんどなく、ライブハウスに行くかフェスティバルホールや厚生年金ホールでクラッシュやワールドミュージック系の微妙なキャパのコンサートに行く時に大阪で遊んだけど他人の街だった。 20代後半になって仕事で堂島や本町に行くようになってからは大阪と縁が深くなった。 大阪と京都はノリがぜんぜん違う。それは仕事よりも遊ぶときによくわかる。大阪の奴が京都の奴よりはるかに優しい感じがするのは俺が昔の因果を含めているわけではない。実際に大阪の奴はいい奴が多い。でもこれを言うと大阪の奴ともめるが下町の食べ物は京都の方がうまいと思う。うどん、ラーメン、焼そばにお好み焼き、街中華は京都の勝ち。寿司と焼肉は大阪に負けるけど団子やお菓子も断然京都が勝っている。そして俺のホームグラウンドであるバーの勝負。俺が長く通い詰めてきた京都の多くの素晴らしいバーたちに軍配が上がりそうだけど、バーは大阪の勝ちだと思う。それはクオリティーの話ではなく幅の広さだ。 スタッグバー(まあ言えば本格派のバー)の数が圧倒的に京都より多いし、俺が通い続けているバーは女人禁制だったバーから美人オッサン論を俺に書かせる動機を与えた美人で最高にオッサンの飲み方をするママのいるバーまである。バーに最高のバーなんてない。今の自分にとってそ大阪市中央区千日前1-8-9観光客が押し寄せる京都・錦市場の京漬物店主。酒場ライターで元踊り子。11月中旬~1月は京漬物のすぐきが旬。樽出しのすぐきを巻く日々。のバーが在ることがどれくシアワセかというだけだ。 そんな今の俺がミナミに行くとどうしても行きたくなるのが「バー坂町」だ。このバーのなにがいいのかはこの原稿で書かない。バーも多様で人それぞれいろいろあるからだ。 ただこの「バー坂町」は今、この時代に、様々な目的で大阪に来ている遠い街や国から来た人に対しても行っとかなあかん店、行っとかなあかんバーだと思う。 このページを連載している俺もハリーも66歳。いわゆるオワコンであるが、このコンビはいい店を見つける能力は突出していると思う。俺は6000軒、ハリーは約3万軒以上も取材をしている。 そんなことは年寄りの戯言か。そうじゃない、俺はハンバート・ハンバートの「笑っても転んでも」がむちゃくちゃ大好きだ。こんな記事だけど仲良くしてください。僕は錦市場にいます。あー。日本を食べまわる写真家で、「うまいもんは茶色い」が信条。とんかつはロース、ハムカツはうすい方が好き。夏はスイカ、秋は柿など季節のフルーツも実は好き。大阪と京都と、時代と街のバー。そして俺はもうなんでもええねん。あとは泣くだけやし。バッキー井上ハリー中西バッキー&ハリーの〈バール・デ・坂町〉地団駄はツイストで
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